岐阜県高山市は、市町村合併によって日本一の面積を誇る広大な都市となりました。2005年(平成17年)に周辺9町村が合併し、面積は約2177.61平方キロメートルに急増。これは東京都23区(約2194平方キロ)に匹敵する広さで、山岳から温泉地、田園風景まで多彩な風景が含まれます。本記事では、高山市がなぜ面積日本一になったのか、他都市との面積比較や豊かな自然環境、歴史文化の魅力などを詳しく解説します。
高山市の面積は日本一!広大な市域の理由
高山市は現在、島しょ部を除いた市域面積で全国最多を記録しています。最大の要因は2005年の平成の大合併です。当時、旧・高山市と周辺の9つの町村(丹生川村・宮村・清見村・荘川村・久々野町・朝日村・高根村・国府町・上宝村)が合併し、旧市域の約15倍に広がりました。この合併によって高山市の面積は大幅に拡大し、周囲の山岳地帯まで含むようになったのです。
平成17年の大合併で9町村が編入
平成17年2月1日に実施された合併により、飛騨地方の9町村が高山市に加わりました。合併前の旧高山市の面積は約140平方キロメートルでしたが、合併後は2,177.61平方キロメートルとなり、市域は約15倍に拡大しました。合併前後の面積比較からも衝撃的な増加がわかります。行政区画の合併によって、市街地から山里、奥飛騨の温泉郷まで含む広大な領域が一つの市になったのです。
合併前後で東西約81km、南北約55kmに拡大
合併後の新市域は非常に広大で、東西約81キロメートル、南北約55キロメートルに達します。この広がりは、北アルプス(飛騨山脈)から両白山地(比良山地)にまたがる地形をほぼ丸ごと包含しているからです。飛騨地方の盆地や高原、山地を縦横に走るような形となっており、市内には大小数多くの集落が点在しています。
東京都とほぼ同じ広さに
合併後の高山市の面積2,177.61平方キロメートルは、東京都の面積(約2,194平方キロメートル)に迫る広さです。市町村に限れば日本一の広さで、県と同じ規模の面積を持つ都市と言えます。これに対して人が集中する大都市と比べると人口密度は極めて低く、東京都や大阪市など大都市ではありえない広大な自然が残されています。
4県にまたがる広大な市境
高山市は岐阜県北部に位置しますが、合併後は隣接4県とも接するようになりました。具体的には長野県・富山県・石川県・福井県と境界を接しており、市域は県境をまたいで広がります。これだけ広い市域では、県境を越えて雄大な山岳地帯が連続しており、一つの市としては例外的なスケールです。
高山市の面積と他の広い都市の比較
では、高山市の面積は他の都市と比べてどれほど大きいのでしょうか。国土地理院のデータによれば、高山市は市町村の面積で全国トップ。以下では高山市の正確な面積と、他の広い都市との比較を確認します。
高山市の面積:2,177.61平方キロメートル
高山市の面積は2,177.61平方キロメートルです。日本の市町村でこれを上回る面積の自治体はなく、事実上の日本一と言えます。高山市の面積は、単独で日本の県の平均面積をも上回る規模です。また、東京都(面積約2,194平方キロメートル)にほぼ匹敵する広さで、全国の自治体の中でも際立った規模になっています。
静岡県浜松市などの広い市ランキング
高山市につづく広い市の例として、静岡県浜松市があります。浜松市の面積は約1,558.06平方キロメートルで、全国でも2番目に広い市です(2005年の合併で拡大)。その他、栃木県日光市(約1,449.83平方キロ)、北海道北見市(約1,427.41平方キロ)、静岡市(約1,411.90平方キロ)などが上位に挙げられます。以下に主要な広い市の面積比較を示します。
| 順位 | 市区町村 | 都道府県 | 面積(km²) |
|---|---|---|---|
| 1位 | 高山市 | 岐阜県 | 2,177.61 |
| 2位 | 浜松市 | 静岡県 | 1,558.06 |
| 3位 | 日光市 | 栃木県 | 1,449.83 |
| 4位 | 北見市 | 北海道 | 1,427.41 |
| 5位 | 静岡市 | 静岡県 | 1,411.90 |
東京都・大阪市など大都市との比較
高山市は日本一広い市ですが、東京都(正確には東京都特別区)や大阪市といった人口集中地とは性質が異なります。東京都23区の面積合計(約2,194平方キロ)と比べてもほぼ同じ規模ですが、市域の大部分が森林や山岳地帯です。大阪市の面積は約223平方キロ(兵庫県伊丹市との合併を除く)で、高山市よりはるかに狭いことがわかります。すなわち、高山市は広大な地理条件を持つ一方で、行政区画の意味で最も面積が広い「市」と言えます。
自然に囲まれた高山市:92%の森林と山岳地帯
高山市の広い市域は豊かな自然に恵まれています。面積の約92.1%が森林に覆われており、全国でもトップクラスの森林率を誇ります。市内には北アルプス(飛騨山脈)や白山国立公園が含まれ、標高差は最低436mから最高3,190m(奥穂高岳)に達します。こうした地形は多様な気候帯を生み、温泉や高山植物の繁茂など、自然資源の宝庫となっています。
森林が市域の92.1%を占める
高山市の面積の約92.1%は森林面積です。全国の市では群を抜いて森林率が高く、豊かな樹林に覆われた山林が延々と連なっています。この広大な森林は針葉樹から広葉樹、ブナ林など様々で、高山市内には油木杉国有林や焼岳などの森林保護区もあります。深い森とそれに続く高原や渓谷が、市民や観光客に多彩な自然景観を提供しています。
北アルプスと白山:2つの国立公園に跨る
高山市は北アルプス国立公園と白山国立公園の両方にまたがっており、国内有数の山岳地帯を擁します。北アルプス側には標高3千メートル級の峰々が連なり、上高地・乗鞍岳・奥飛騨温泉郷といった観光名所が広がります。一方、白山や別山など白山国立公園に属するエリアも北端に含みます。こうした国立公園の雄大な自然は、高山市の広さと山岳地形の象徴です。
奥飛騨温泉郷・山岳地帯の魅力
高山市南部は奥飛騨温泉郷と呼ばれる温泉地帯が広がっています。安房峠を越えた穂高岳付近から新穂高温泉、平湯温泉、栃尾温泉、福地温泉など、豊かな湯量を誇る温泉街が点在します。これらは標高1000~1500メートル付近にあり、雪深い冬場には秘湯の風情が楽しめます。また市域内には飛騨大鍾乳洞のような鍾乳洞や、森林浴ができる散策路も整備され、広大な山岳リゾートとして知られています。
標高436m〜3,190mの気候差
高山市には最低標高436メートル(旧・上宝町吉野地区)から最高標高3,190メートル(奥穂高岳)まで幅広い標高があります。その標高差約2,754メートルによって、市内は冷涼な高山気候から河川流域の温暖な気候まで多様です。季節の山岳風景も大きな特色で、春の残雪、高原の新緑や高山植物、夏の避暑地、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々に異なる自然が楽しめます。
高山市の魅力:歴史ある町並み・祭り・名物
広大な市域に自然の魅力が広がる一方、高山市中心部には江戸時代の城下町として栄えた歴史的町並みが残っています。有名な三町筋(古い町並み)や高山祭屋台は息を呑む美しさで知られ、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。高山市は「飛騨高山」と呼ばれる観光都市としても人気が高く、田舎暮らしを体験できる民俗田園や、飛騨牛を中心とする郷土料理など、幅広い魅力があります。
古い町並みと高山祭
高山市の中心市街地には、江戸時代の面影を色濃く残す上三之町・上二之町・上一之町の古い町並みがあります。格子窓の商家が連なる街並みは歩くだけで歴史情緒を満喫できます。また、高山市が誇る春夏秋冬の祭りでは、春に日枝神社で行われる「山王祭」、秋に桜山八幡宮で行われる「八幡祭」が特に有名です。豪華な山車(屋台)が巡行し、その様子は「高山祭の屋台行事」としてユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
高山陣屋など歴史的建造物
高山には他にも歴史的建造物が点在します。江戸幕府の代官所だった「高山陣屋」は全国に唯一現存するもので、内部では当時の裁判所や御典医の部屋などが復元され、市民に公開されています。町家を利用した郷土博物館や文学館も多く、飛騨地方の伝統工芸や文化を学べる施設も充実しています。
飛騨牛・郷土料理などグルメ
高山は飛騨牛の産地として全国的に知られています。ステーキや焼肉はもちろん、高山ラーメン、朴葉みそ(ほおばみそ)焼き、五平もちなど地元の食文化も豊かです。古い町並みの町屋では地酒や栗菓子を扱う店、民藝品の店が立ち並び、食べ歩きやお土産選びも楽しめます。美しい自然の恵みと相まって、高山ならではのグルメは観光客にも人気です。
温泉地とアウトドア
広大な市域には自然体験スポットも多彩です。前述の奥飛騨温泉郷に加え、山間のキャンプ場やハイキングコースも充実しています。乗鞍天空マラソンや岳沢トレッキングなど、高地スポーツのメッカともなっており、山好きにはたまらないエリアです。また、広い範囲で散策が楽しめる飛騨民俗村(飛騨の里)や森林公園も市内各所に整っています。
まとめ
岐阜県高山市は平成の大合併によって広大な市域を誕生させ、日本一の面積を持つ市となりました。現在の面積は東京都とほぼ同じ規模で、市内の92%以上が森林に覆われています。北アルプス連峰や白山国立公園などの壮大な山岳風景、奥飛騨温泉郷の温泉、江戸時代の古い町並みや高山祭など、広い土地ならではの魅力が高山市には満ちています。
広大な高山市は人口こそ減少傾向にあるものの、資源に恵まれた都市として自然・歴史・文化の宝庫です。面積日本一という特異な特徴は、高山市を訪れる人々に「普通の街では味わえない」体験を提供しています。広さの秘密を知れば、大都市とはまったく異なる広域自治のあり方や、豊かな自然と地域文化の共存が見えてくるでしょう。
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