各務原権現山登山コースは、岐阜市と各務原市の境にある標高317mの低山です。関南アルプスとも呼ばれる各務原アルプスの一部で、整備された道で初心者でも登りやすいコースが特徴です。
山頂からは名古屋市街や伊勢湾が一望でき、春はヤマツツジやショウジョウバカマ、秋は紅葉も美しい見どころです。登山口近くには伊吹の滝など散策スポットも多く、1日ゆっくり自然を満喫できます。
本記事ではコース概要やアクセス方法、見どころと注意点など最新情報をわかりやすく紹介します。
目次
各務原権現山登山コース完全ガイド
各務原権現山(317m)は岐阜県各務原市と岐阜市の境にある山で、各務原アルプス(いわゆる関南アルプス)の一部です。市街地に近い丘陵地に位置しながら豊かな自然が残り、山頂には展望用の東屋も整備されています。
天気が良ければ山頂からは御嶽山や乗鞍岳、濃尾平野など遠方の景色を一望することができます。
山の概要
標高317mの各務原権現山は、名前に「権現」が付く通り山頂には権現神社(多度神社の遥拝所とされる)があり、古くから信仰の対象とされてきました。山容は穏やかで整備された登山道が続くため、初心者やファミリーでも登りやすい山として人気があります。
各務原アルプス(関南アルプス)
各務原権現山は東西約10kmにわたるハイキングトレイル「各務原アルプス」の一部として位置しています。各務原アルプスは別名「関南アルプス」とも呼ばれ、岐阜市側(各務原側)から見ると北山や芥見権現山などが連なる山並みとして知られます。縦走ルートも整備されており、体力に合わせて周辺の複数のピークを巡ることができます。
コースの特徴
整備された遊歩道や階段が設置されており、全体的に明るく歩きやすい尾根道が続くのが特徴です。登山道は緩やかな上りが多く、道中には休憩に適した見晴らしポイントもあります。一方で山頂直下にある石段の急登は短いながら標高差約60mと急勾配になるため、体力には注意が必要です。
各務原権現山登山口へのアクセス
各務原権現山の主な登山口は、伊吹の滝(いぶきのたき)登山口と南登山口の2つです。アクセスは公共交通機関と車が利用でき、登山口周辺には案内板や駐車場も整備されています。
伊吹の滝登山口(主登山口)
伊吹の滝登山口は各務原権現山の主な登山口で、近くに駐車場があります。登山口は伊吹の滝公園内にあり、緩やかな林道を経て尾根道に取り付きます。道幅も広く整備されているため、登山初心者でも安心して歩けるコースです。
南登山口
南登山口は山の南側にあり、友愛キリスト教会の向かい側に入口があります。駐車場はありませんが周辺に車を停めるスペースがあり、南登山口からの登山道は最初から尾根に上がる登り坂でやや急勾配となっています。伊吹の滝口へ下山する周回コースとしても利用されます。
公共交通機関
公共交通ではJR高山本線の各務原駅が最寄駅です。各務原駅から伊吹の滝登山口まではタクシーで約15分ほどですが、バスの便は限られています。荷物が少なければ歩いても40分程度ですが、疲労を考慮して公共交通はタクシー利用が一般的です。
車と駐車場
車でのアクセスは、各務原市内から国道248号や国道21号を経由して各登山口に向かいます。伊吹の滝登山口には無料駐車場が整備されており、週末は多くの登山者で混雑します。駐車場が満車の場合は早朝に到着するか、南登山口付近の路上に停める方法があります。南登山口には公式の駐車場はありませんが、友愛教会周辺に数台分の駐車スペースがあります。
各務原権現山の登山コース
各務原権現山には登山コースがいくつかありますが、代表的なのは伊吹の滝登山口から山頂へ往復するルートと、伊吹の滝口から南登山口を経て戻る周回コースです。それぞれ距離や歩くルートが異なるため、体力や時間に合わせて選びましょう。
伊吹の滝コース(往復)
伊吹の滝登山口からの往復コースは最も一般的なルートです。登山口から尾根道に入ると緩やかな上り坂が続き、途中には「一ツ岩」(標高約229m)の大きな岩場があります。ここは開けた休憩ポイントで、各務原市街を一望できます。その後階段の急登を経て山頂に至り、同じ道を下ります。全行程は往復約4.5km、標高差約331mで、休憩なしの歩行時間は約2時間強です。
南登山口周回コース
伊吹の滝登山口から南登山口を経て戻る周回コースは、伊吹の滝口から一度下山して南登山口へ向かい、そこから尾根を登って山頂に至るルートです。一般道(舗装路)を歩いて南登山口に向かうため往復コースに比べ距離は長くなりますが、変化のある周遊コースが楽しめます。所要時間は3~4時間程度です。
縦走コース
体力に余裕がある場合は、各務原権現山からさらに北山や芥見権現山など複数のピークを縦走することも可能です。各務原アルプスの稜線を辿るこのルートは、数時間から一日がかりとなる長距離コースです。事前に十分な計画と装備で挑んでください。
コースの所要時間と難易度
各務原権現山の登山コースは往復約4.5km、標高差約331mと手頃な距離のため、難易度は初心者向けです。以下に距離や所要時間の目安をまとめました。
距離と高低差
伊吹の滝登山口から山頂までの片道距離は約2.25km、往復で約4.5kmです。標高差は約331mあります。南登山口を使用する周回コースでは一般道の区間が加わるため、合計で約5km以上になります。
所要時間
往復コースの標準的な歩行時間は休憩なしで約2時間15分ですが、景色を楽しみながらゆっくり歩くと3時間程度です。南登山口経由の周回コースでは歩く距離が増えるため、約3〜4時間を見込んでおくと安心です。
難易度
全体的に整備された道で足場は安定しており、特別な登山技術は必要ありません。山頂直下の階段は勾配が急な区間ですが距離が短いため、一般的な体力があれば問題なく登れます。初心者はこまめな休憩と水分補給を心がけ、無理せずマイペースで登ってください。
登山コースの見どころ
各務原権現山の登山ルートには、四季折々の自然や展望スポットなど多くの見どころがあります。主なポイントを紹介します。
山頂からの眺望
山頂の展望東屋からは360度の大パノラマを楽しめます。北側には雪をかぶった御嶽山や乗鞍岳、南側には名古屋方面の濃尾平野が広がります。晴れた日には伊勢湾の海岸線まで遠く望め、街の灯りが美しい夕方の景色も魅力です。
途中の休憩ポイント
登山道の途中には「一ツ岩」や「二ツ岩」といった景色の良い休憩ポイントがあります。一ツ岩(標高約229m)は尾根上にあり、ここから各務原市街が一望できます。二ツ岩(約253m)は市街地側に開けた眺望スポットで、山頂に劣らぬ広い展望が楽しめます。これらの場所では写真撮影や休息をとりながら景色を楽しみましょう。
四季の花と自然
春にはヤマツツジやショウジョウバカマ、スミレなどの山野草が咲き、登山道を鮮やかに彩ります。夏は新緑が美しく、森林浴を楽しみながら歩けます。秋には紅葉が山を赤や黄に染め上げ、登山者を魅了します。登山道沿いには野鳥が多く棲息しており、運が良ければキビタキやコゲラなどを観察できることもあります。
持ち物と注意点
登山を安全に楽しむためには、必要な装備を準備し注意点を守ることが重要です。特に権現山は初心者向けとはいえ、以下のポイントを押さえておきましょう。
必携の装備
- 登山用シューズ:小石やぬかるみで滑りにくいトレッキングシューズがおすすめです。
- 飲料水・軽食:登山道や山頂に自動販売機はないため、十分な水分と行動食を持参してください。
- 雨具・防寒具:天候の変化に備えて、レインウェアやウィンドブレーカーを用意しましょう。
- 帽子・日焼け止め:日差しが強い季節には帽子やサングラス、日焼け止めで紫外線対策をしましょう。
- 携帯電話・応急手当セット:万一に備えて、携帯電話(充電済み)や携帯用の救急セットも持っておくと安心です。
服装と対策
服装は重ね着で体温調節しやすいものを選びましょう。特に春山・秋山では山頂付近が冷えるため、薄手のジャケットやフリースがあると安心です。夏は虫除け対策として長袖や虫除けスプレーを用意し、冬は厚着や使い捨てカイロなどで寒さ対策をしてください。
安全・マナー
安全面では、こまめな水分補給と休憩を心がけ、無理のないペースで登下降してください。急な天候変化に備え、出発前に天気予報を確認し雨具は必ず携行しましょう。また登山道は他の登山者や自然環境も共有する場です。ゴミは必ず持ち帰り、大声を出さない、植物を採取しないなどのマナーを守ってください。
まとめ
各務原権現山登山コースは、整備された遊歩道と絶景が魅力のハイキングコースです。山頂からの眺望は名古屋市街から遠く伊勢湾まで見渡せる素晴らしさで、ヤマツツジや紅葉といった季節の彩りも楽しめます。初心者や家族連れでも無理なく登れる山ですが、必携の装備と適切な準備を怠らず、安全を第一に自然を満喫してください。
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