金華山は標高329mの山で、山頂には戦国武将・斎藤道三や織田信長の城跡である岐阜城があります。山頂駅付近にはかわいいリスと触れ合える「リス村」があり、家族連れにも人気です。金華山には多数の登山ルートがありますが、中でも「馬の背登山コース」は険しさで知られる道です。初心者の方にはハードルが高く思えますが、本記事ではコース概要やアクセス方法、必要な装備・服装、見どころ、安全対策などをわかりやすく解説します。しっかり準備することで初めての登山でも安心して挑戦できます。
目次
金華山馬の背登山コースの概要
馬の背登山道は金華山北側にある登山ルートで、距離は約1.1km、山頂までの標準的な所要時間は30~40分程度です。登山口は金華山ロープウェー山麓駅のすぐ北側にあり、案内看板も出ているので初心者でも迷いにくい立地です。標高329mの山頂へ至る途中は急峻な岩場が連続し、山頂の展望台からは岐阜市街や長良川の川辺、名古屋方面のビル群、遠方の山並みまで見渡せる大パノラマが広がります。
馬の背登山道は短距離で稜線まで抜ける直登的なルートなので、距離に対し時間は短めですが、岩場の登り下りが続くため体力・脚力が必要です。下山にはロープウェーも利用でき、体力に不安がある場合は上りだけ頑張って下りは楽に帰る選択も可能です。
馬の背コースの特徴と難易度
馬の背登山道は金華山の10あるコースの中でも最も難易度が高い(★5)コースとされています。ほぼ直線的に山頂を目指すため坂は急で、地面には大きな岩がむき出しになっている区間が続きます。看板にも「老人・幼児には無理です」と赤字で警告されているほど危険で、足腰に自信がない方は無理をしないほうが安全です。岩場では両手も使って体を支えながら登る必要があり、トレッキングポールはかえって邪魔になる場合もあります。
この険しさゆえに上級者向けコースではありますが、短時間で山頂に立てる達成感も魅力です。登り切った後は「上級コースを制覇した」という満足感に浸れます。
初心者向けアドバイス
初心者が馬の背コースに挑戦する際は、無理をせず自分のペースで登ることが大切です。急な岩場では「三点支持」と呼ばれる基本動作を意識すると安全です。三点支持とは、両手両足のうち常に3点で身体を支え、手か足を動かすときは残り3点を離さないようにする登り方です。
登山中はこまめに休憩を取り、水分補給を忘れずに行いましょう。足場が悪く滑りやすいため、無理に速く登ろうとせず焦らず進むことも重要です。万一体力に不安が出た場合は、登山口に戻るかロープウェーで下山するなど計画的に行動してください。
馬の背登山口へのアクセス・道順
馬の背登山道への入口周辺には公共交通機関のバス停や駐車場が整備されており、市街地からのアクセスは比較的便利です。次項で公共交通機関と車での行き方をそれぞれ紹介します。
公共交通機関でのアクセス
公共交通機関を利用する場合は、JR岐阜駅または名鉄岐阜駅から市内バスに乗車します。大まかな行き方は、岐阜駅北口から「岐阜公園・岐阜城」の停留所行きのバスに乗り、終点の岐阜公園・岐阜城で下車します。バス停から馬の背登山口までは徒歩約3分です(バスは約15分間隔で運行、運賃は250円前後)。岐阜公園は金華山ロープウェー山麓駅のあるエリアで、案内看板に従って進むと迷わず登山口に辿り着けます。
車でのアクセスと駐車場
車で向かう場合は、岐阜公園周辺の駐車場を利用します。おすすめは「岐阜公園堤外駐車場」と「大宮町駐車場」で、特に堤外駐車場は登山口に近く便利です。ただし台数に限りがあるため、休日は満車になることもあります。岐阜市街からは県道77号や国道248号を経由し、岐阜公園の駐車場案内を目印に進んでください。満車時は近隣に有料駐車場もあるので、早めの出発がおすすめです。
登山口の位置
馬の背登山道の入口は、ぎふ金華山ロープウェー山麓駅のすぐ北側にあります。登山口付近には案内板や道標が設置されているため、駅を背に北へ進むと簡単に見つけられます。また入り口付近の地面には「馬の背」などの表示もあります。初めて訪れる方は、岐阜公園の案内図などで位置を確認しておくと安心です。
装備・服装と安全対策
馬の背登山道を安全に登るためには、装備と服装の準備が欠かせません。険しいコースであるからこそ、初心者は特に入念な準備をしましょう。以下で服装や携行品、登山時の注意点を解説します。
適切な服装と靴
馬の背コースは足元が不安定な岩場のある道なので、しっかりした靴選びが重要です。滑りにくいトレッキングシューズや運動靴を用意し、サンダルや底の薄い靴は避けてください。また暑い時期でも下着や袖・裾は擦れや日焼け防止のため長めにしたほうが安心です。速乾性や通気性の高いスポーツウェアを着用し、汗をかいたらこまめに拭くタオルを持参するとよいでしょう。
登山に必要な装備
馬の背登山道を快適に登るためには、以下の装備・持ち物を用意しましょう:
- 十分な水分(500ml以上)と軽食(ゼリー飲料やナッツ類などエネルギー補給できるもの)
- 手袋(滑り止め付き作業手袋など、岩場で手を保護するもの)
- 帽子とタオル(日差し・汗対策)
- 雨具(レインウェアやポンチョ、急な雨天に備えて携帯)
- スマートフォン・地図・簡易GPS(万が一の道迷い時用または連絡用)
特に手袋は岩場で手を擦らないためにも役立ちます。また、携帯電話はフル充電してから出かけましょう。
安全対策と注意点
馬の背登山道は危険箇所が多いため、常に安全第一で行動しましょう。コース上には「老人・幼児には無理です」と掲示があります。体力に不安がある場合や小さな子供を連れている場合は、別のコースを検討してください。急な雨が降ると岩が滑りやすくなるため、天気予報で雨が予想される日は登山を見送るのが賢明です。
登山中は疲れやすい道なのでこまめに休憩を取り、無理せず小まめに水分補給を行います。万が一、体力が限界と感じたら無理に先に進まず、近くの安全な場所で休むか、ロープウェーでの下山を検討してください。着実に三点支持で足場を確保しながら登り、特に下山時は滑落に注意して慎重に降りてください。
コースの見どころと魅力
馬の背コース自体は急斜面が続くため、目立ったビュースポットはありませんが、金華山全体の魅力は山頂で味わうことができます。まず金華山の山頂には岐阜城がおり、城内の展望台からは360度のパノラマビューが楽しめます。眼下には長良川や岐阜市街地が広がり、天気が良ければ遠く名古屋の高層ビル群や中央アルプスの山並みまで見渡せます。
また、ロープウェー山頂駅付近には金華山リス村があり、小さなリスに手から餌をあげて触れ合えます。子供はもちろん大人にも人気のスポットで、登山の疲れを癒してくれます。四季折々の自然も見どころの一つです。春にはツブラジイの花が山を金色に飾り、秋には鮮やかな紅葉が山肌を彩ります。季節ごとに変化する景色を楽しみながら登山できるのも金華山の魅力です。
他のコースとの比較と下山方法
金華山には馬の背のほかに合計10本の登山コースがあり、難易度や特徴が異なります。初心者には馬の背より緩やかな「七曲り登山道」(距離1.9km・約60分・難易度★☆☆☆☆)や「東坂ハイキングコース」(1.1km・約30分・難易度★★★☆☆)がおすすめです。馬の背を上りで使い、下りを七曲りやロープウェーにすると、より安全で体力的な負担も軽減できます。下山の際は馬の背をそのまま下りるよりも、ロープウェーで山麓まで戻るか、比較的緩やかな別ルートを利用する選択も検討しましょう。
主な登山コースの比較
| コース名 | 距離 | 所要時間 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| 七曲り登山道 | 1.9km | 約60分 | ★☆☆☆☆(易) |
| 東坂ハイキングコース | 1.1km | 約30分 | ★★★☆☆(中) |
| 馬の背登山道 | 1.1km | 約40分 | ★★★★★(最難) |
下山方法とロープウェー活用
馬の背コースの下山は非常に危険が伴うため、初心者の方はロープウェーの利用がおすすめです。ロープウェーは山頂と山麓を3〜4分で結び、頻繁に運行しているため安全・快適に下山できます。また、馬の背から七曲り登山道や東坂コースを経由して周回するルートもあります。急坂を避けて緩やかな道を下ることで、怪我のリスクを減らせます。
安全な下山のポイント
下山時は晴雨にかかわらず特に慎重に行動します。岩場では滑り止めを効かせるため、両手で身体を支えながらゆっくりと降りましょう。疲れてペースが落ちたときこそ転倒しやすいので焦らず足元に集中してください。また、昼間でも薄暗い時間帯になると足元が見えにくくなるため、早めに下山を開始するか、日没前にロープウェーに乗る計画にすると安心です。安全を第一に、体力と相談しながら行動しましょう。
まとめ
金華山馬の背登山道は確かに難易度の高いコースですが、正しい装備と安全対策を徹底すれば初心者でも挑戦可能です。無理をせず自分のペースで進み、危険箇所では三点支持で慎重に登ることが重要です。下山はロープウェー利用や七曲りなどより安全なルートを組み合わせると安心です。金華山の頂上からは素晴らしい眺望とかわいいリスたちが待っています。今回ご紹介したポイントを参考に、安全第一で登山を楽しんでください。
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